セツナイロ
「はひっ!」
突然耳に痛みが走った。
あたしの斜め後ろに立つのはハルキだった。
「離してよぉー!」
ジタバタと暴れるあたしを楽しそうに見つめ、ニカッと白い歯を見せたハルキ。
何時までも離さないハルキのお腹に、あたしの肘を思いっきりぶつけた。
「った!
テメェ女のくせに!」
そう言ってあたしの頬をブニュっとつねった。
「いひゃいんらっへはぁ!」
「はいはい、そこイチャつかなーい!」
そう言って止めに入ったのはルナだった。
「ったく…
ユズも逃げなさいよ。」
「足遅いから無理だもん……」
つねられた頬をさすりながら涙目でルナを見た。
ルナはケラケラと笑って「こりゃ、失敬!」なんてふざけながら謝った。