セツナイロ
これまでの事を話し終えたのは、丁度4校時目の始め。
あたしたちは2校時目をサボったのだ。
「うんうん…つらかったよね…
そんなに1人で考えないでよ。
あたしだって、ハルキだっているじゃない……。」
微かに浮かべた涙を隠すようにあたしを抱きしめたルナ。
「ごめんっ…ごめん!」
そんなルナの優しさに、あたしは謝る事しか出来なかった。
「大丈夫…
あたしがいるよ…。」
ルナの言葉があたしの脳の動きを静めているのが分かった。
徐々に心臓のリズムが整ってくる。
それにつれて溢れる涙は、あたしの中の悲しみがこぼれたものだった。
恋とか、友情とか。
でもその悲しみの大半を占めていたのは恋。
あたしのアスカへの思いだった…。