セツナイロ
color 4
季節は流れ12月。
冬を運ぶ風はあっというまに街の中を沈んだ色に染めた。
「ルナっ!
ヤバい!大ニュースだよ!!」
「何々ー?!」
そんな冷たい空気になんて負けない2人がここには居た。
「ユウキがさー、先輩に告ったんだってー!」
「えぇ!?
あのユウキが!?」
今日も絶えない他人の恋バナ。
あたしたちの日課だ。
「そうそう!
しかも相手はハルカ先輩!
ありえないっしょー!!」
クラスメイトのユウキ。
そして超がつく程の美人、ハルカ先輩。
「で、結果は?」
結果は勿論1つだった。
「ごめんなさいだってさー!」
「やっぱし!?」
そう、やっぱり。
そんなのはみんな承知していた。
ユウキに彼女が出来た日の翌日には、きっと世界の終わりなのだ。
そのくらいユウキのルックス、性格、その他全てがアンバランスで最悪だった訳だ。
「ったくまたお前らそんな話して。」
その時ポスッとあたしの頭に乗っかったハルキの大きな手。
「男は邪魔しなーい!
いい、これはあたしたちの潤いのモトなの!」
そう言ってあたしはハルキの手をどかした。
「へいへーい。」
ハルキは自分の頭をガシガシとかきながら席に着いた。
程なくして鳴った、チャイムの音に、あたしたちも自分の席に着いた。