Rainbow Love Story [短編集]

「くすっ…顔が真っ赤ですよ?本当に可愛らしい…」



そう言ってる間にも、ベタベタと触ってくる。

もしかして…。
また、香夜さんみたいな人…?

何か似てると思ったのは、この雰囲気のせいかな?



「あ、あのっ海谷さん?」

「でもまさか…僕とお見合いしてくれるとは思いませんでした。
東條にべったりだったのは有名な話ですよね」

「…!?」



そう言ったときの、鋭い目付きと笑顔に一瞬怯んだ。


「なんで今さら婚約を解消したんですか?」



今一番思い出したくない話題になって、視線を反らす。


「それは…関係のないことです。」

「確かに。でも、大体予想はつきますよ。」



くすっと笑って私を見る。



「え?」

「あなた…キスしたことありますか?」

「な、どうしてそんな…!」



少し、馬鹿にしたように言われて、また赤くなるのがわかる。



「東條も馬鹿ですね…。こんなに可愛い人を、手放してしまうなんて。」



そう言って、腰に手を回される。

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