Rainbow Love Story [短編集]
「ちょっ…あの、離して下さいっ」
「どうして?あなたはずっと、こうしたかったはずでしょう?」
「―っ///!」
見透かされている気がした。だって、確かに、私はずっと、羨ましかった。
香夜さんに迫られている女の人が。
香夜さんに女として見てもらえている人が。
だから私も、今日は、女として見てもらいたくて。
でも、やっぱりそれはっ…。
「ごめんなさいっ…!あの、やっぱり、私っ…香夜さんじゃなきゃ…」
意味がなかったんだ。
例えどんなに世界の人たちが、私を褒め称えてくれたとしても、香夜さんに思われないなら意味がない。
私に触れるその手も、嫌悪感しか生まれない。
誰とお見合いしたって、忘れられるはずなかった。
簡単に消せるはずなかった。
初めて会ったあの日から
ずっとずっと
香夜さんだけに
恋していたんだから。