Rainbow Love Story [短編集]
「はぁっ…はぁっ…あの、なんで…っ」
お見合いをしてたビルを出て、用意されていた香夜さんの車に乗り込んだ。
「ごめんね…。関係ないのに勝手なことをして…」
香夜さんのその言葉に、私は思いきり首を振る。
関係なくなんかない。
婚約を解消したっていうのに、私は…
「―香夜さんっ…あのっ本当にごめんなさい…っ。私、最低で…。好きでもないのに無理やり、いつまでも…っ」
さっき言われた言葉が、ずっと胸に突き刺さってる。
「…でも、やっぱり私、香夜さんじゃなきゃ触られるのも、キスされるのも嫌で…」
ぼろぼろと、涙が出てくる。
今さっき、思い知らされたばっかりなのに、また同じ過ちを繰り返す私。
「…香夜さんを、自由にさせてあげたかったのに、こんな風になっちゃって…。
縛りつけるのは嫌なのに、忘れられそうになくて…っ」
好きで好きで。
迷惑だって、身を以て知ったはずなのに、気持ちが止まらない。
涙で霞んで香夜さんが見えない。
ねぇ香夜さん。あなたは…
「どうしたら、私を女として見てくれますか…っ?
私、努力するから…
―無理だって、わかってるけど…っ」
でも…好き。好き。
大好きなの…
ずっと、消せそうにないくらい。