Rainbow Love Story [短編集]
かくして私は、師匠に弟子入りすることになりました!
「…で?君、名前は?」
今は、師匠と二人で初めての稽古(?)中。
「はい!紬[つむぎ]ありすと言います!」
「じゃあ、ありすね。で、何で俺なわけ?ってか師匠ってなに。」
ちらっと冷めた目で私を見る師匠。
そんな表情も様になるのが流石だと思う。
「実は、私…。憧れの人がいるんですっ!それで、師匠の力を貸して欲しくて…!」
「はぁ…。俺、女の子は口説けるけど、男は対象外だよ?」
ため息をついて、少し呆れた顔で言う。
「いいんですっ!師匠には、そのままで居てもらって、私が近くで観察するので!」
「は?観察!?」
「はい!あ、心配しないで下さい!師匠の交友関係の邪魔はしないので…」
「………。」
何も言わない師匠。
でも、ここまで来て、このチャンスを無駄にするわけには行かないっ!
「師匠は来る者拒まずなんですよね!?その溢れる魅力をぜひ!修行させてください!」
ちょっと大げさに言いすぎたかな? なんて思ったんだけど、意外にもこれが効いたみたいで…