Rainbow Love Story [短編集]
「…まぁ、邪魔しないなら。
―それに、俺基本的に女の子には優しく、がモットーだしね?」
少し自慢気に言う師匠。
誉められると、機嫌が良くなるタイプなんだな〜、なんてぼんやり考える。
「つまり…それって、認めてくれたってことですよね!?」
でも、そのおかげで今まで何の進展もなかった遠藤くんとの関係に、終止符が打てる!
「その代わり、絶対成功させろよ!」
って、師匠は親指をぐっと立てて言った。
「はい!よろしくお願いします♪」
よし!
師匠からたくさん学んで、遠藤くんに少しでも近付けるよう頑張ろうっ♪
なんて思わず顔がにやける私。
―あ、そうだ! とりあえず…。
「師匠!師匠の髪って綺麗ですよね…。私も、染めた方がいいでしょうか?あと、ピアスも開けて…!」
って、私は本気で聞いたのに、
「ぶはっ!…いやいや、ありすはそのままがいいと思うよ?」
と、笑って返された。
その笑顔を見て、
顔が熱くなった気がしたんだけど、
それはきっと名前を呼ばれ慣れていないからで…。
金色に近い栗色の髪と、
それに似合う端正な顔が、
私に向かって笑いかけてくれていることに慣れていないからだ、って思うことにした。