Rainbow Love Story [短編集]

それから一週間。


私はそれはもうずっと、師匠に密着した。

あ、密着って言ってもぴったりくっついてるわけじゃなくて…。

師匠が他の人と話しているときは、半径2M以内には近づかないようにしてるし…。


それで!
私は色んなことに気付いたんだけど…。


「…やっぱり師匠はすごいです…」

「―どうした?いきなり…」


今はお昼休み。
師匠はわざわざ私のために時間を割いてくれた。


「―師匠は、誰とでも話すことが出来て、それでいて不自然じゃなく…。
まぁ、女好きって言っちゃったらそこまでなんですけど、良く言えば人望が篤いっていうか…」

「女好きって…。
普通本人の前で言うか?」


少し笑って言う師匠。

でも、ほんとにすごいと思う。


「だって…。
私には出来ないですもん…」


師匠の技を学べば、私も遠藤くんと話せるんじゃないか、って思ってたけど、到底無理なように思えた。

< 29 / 61 >

この作品をシェア

pagetop