Rainbow Love Story [短編集]
それから一週間。
私はそれはもうずっと、師匠に密着した。
あ、密着って言ってもぴったりくっついてるわけじゃなくて…。
師匠が他の人と話しているときは、半径2M以内には近づかないようにしてるし…。
それで!
私は色んなことに気付いたんだけど…。
「…やっぱり師匠はすごいです…」
「―どうした?いきなり…」
今はお昼休み。
師匠はわざわざ私のために時間を割いてくれた。
「―師匠は、誰とでも話すことが出来て、それでいて不自然じゃなく…。
まぁ、女好きって言っちゃったらそこまでなんですけど、良く言えば人望が篤いっていうか…」
「女好きって…。
普通本人の前で言うか?」
少し笑って言う師匠。
でも、ほんとにすごいと思う。
「だって…。
私には出来ないですもん…」
師匠の技を学べば、私も遠藤くんと話せるんじゃないか、って思ってたけど、到底無理なように思えた。