弟～いつかの約束～

３

放課後私は秋のクラスへ向かった。
『ガラッ』
「秋。」
私は戸を開けすぐにしめた。
それは男女がキスをしていたからだ。
そしてもう一度戸を開けた。
なぜ戸を開けたというと女の子は誰だか分からないが男のほうは秋だったから。
「しゅっ秋。帰ろ。」
「お前俺らが何してたか分かってるのか？」
「分かってるよ。でも好きでもない人とそんなことしちゃダメだよ。」
「何で好きじゃないって分かるんだよ。」
「何年秋と暮らしてると思ってるの。そのくらい分かるよ。」
「俺が何しようがお前には関係ないんだよ。」
「そんなことない。私は秋の姉なんだから。」
「じゃぁ見てれば。」
そぉ言ってまた女の子とキスをする。
「止めなよ。」
「お前には関係ないんだよ。」
秋が初めて私に怒鳴った。
私の目には涙がたまり今にもこぼれ落ちそうだった。
「もぉ知らない。」
私はそぉ言って走り出した。
「夏美走るな。」
後ろで秋が叫んでるのが聞こえてた。
私が走ってはいけない理由は生まれつき心臓が弱く走ると発作をおこしてしまうからいつも秋は走るなと口癖のように言う。
私はそんな秋の言葉を初めてきかなかった。
今日の私はなぜかいつもと違った。
いいや私だけじゃなかった。秋も違った。
私はいつの間にか気を失っていた。
目をあけると目の前には秋ではなく真がいた。
「真どうして？」
「夏美が俺のところに来て泣きながら倒れたんだよ。」
「そう。」
「夏美帰ろうか。」
「うん。」
真は何も聞かなかった。
私がなぜ泣いてたのかを。
そんな優しさが今の私の心にはなぜか痛かった。