夜桜☆ヘブン
咲く華、散る華
「あの──、」
冥がつまらなそうにしているのに気づくと、俺は『ごめん』と言いかけそうになった。
「そうだ、これ」
永倉先輩がズボンの後ろポケットから差し出したのは、
……一枚の写真。
「さすが、先輩!」
冥はそれに飛びついて喜んだ。
まるで何が写っているのか分かっているのように──。
「まぁ、僕なりに調べたってとこかな」
「調べた?」
俺にはまだ何のことか分からなかった。
「先輩の能力は『予知夢』、未来に起きることをカメラに写し出すことができるの」
やっと彼女が喜んでいた理由が分かった。
そして、
これこそが俺たちの行うハズだった『調査』
「僕の予想では取引は一週間後。場所はおそらくここ、奴らのアジトの地下室でね」
「取引の相手は、やっぱり睨んだ通りだったわね」
「そうだね」
う──ん、いまいち会話についていけん。
俺だけ取り残されてる気がするんですけど……。
「総ちゃん?」
「俺にも分かるように説明して下さい!」
俺はそんなに自己主張が上手くはない。だけどこれだけははっきりと言わないと。
「ごめん、ごめん。悪気はなかったんだ。許してくれ」
仲間ハズレは嫌だ。
「取引の相手は芸能界にも顔が広いアドベンチャーレコードの浦野社長……総ちゃん、ごめんね」
「あ、いや」
改めて謝られると少し照れ臭かったりして。
「もう少し、調べて行こうか」
冥は俺にそう言いながら、ニッコリと笑ってくれた。
冥がつまらなそうにしているのに気づくと、俺は『ごめん』と言いかけそうになった。
「そうだ、これ」
永倉先輩がズボンの後ろポケットから差し出したのは、
……一枚の写真。
「さすが、先輩!」
冥はそれに飛びついて喜んだ。
まるで何が写っているのか分かっているのように──。
「まぁ、僕なりに調べたってとこかな」
「調べた?」
俺にはまだ何のことか分からなかった。
「先輩の能力は『予知夢』、未来に起きることをカメラに写し出すことができるの」
やっと彼女が喜んでいた理由が分かった。
そして、
これこそが俺たちの行うハズだった『調査』
「僕の予想では取引は一週間後。場所はおそらくここ、奴らのアジトの地下室でね」
「取引の相手は、やっぱり睨んだ通りだったわね」
「そうだね」
う──ん、いまいち会話についていけん。
俺だけ取り残されてる気がするんですけど……。
「総ちゃん?」
「俺にも分かるように説明して下さい!」
俺はそんなに自己主張が上手くはない。だけどこれだけははっきりと言わないと。
「ごめん、ごめん。悪気はなかったんだ。許してくれ」
仲間ハズレは嫌だ。
「取引の相手は芸能界にも顔が広いアドベンチャーレコードの浦野社長……総ちゃん、ごめんね」
「あ、いや」
改めて謝られると少し照れ臭かったりして。
「もう少し、調べて行こうか」
冥は俺にそう言いながら、ニッコリと笑ってくれた。