夜桜☆ヘブン
「遅いよ、冥ちゃん」
人の気配を全く感じなかった──。
こんな俺ですら、ただ者ではないことくらいはすぐに悟った。
「永倉先輩!」
冥は声の正体を確認するとそう声を上げた。どうやら彼女の知り合いのようだ。
「お隣りさんは?冥ちゃんの新しいオトコ?」
「なっ、何言ってるんですか!違いますよ!変な誤解しないで下さい!」
数時間前に知り合ったばかりなのに、そんなこと言われて否定しない奴はいない。
カメラを首から下げて現れた男性は、俺に視線を合わせた。
こういう時は目を逸らさない方がいいことくらいは、俺も心得ているつもりだ。
「君、名前は?」
「沖田総太……です」
「なるほど。君が隊長の言ってた仲間ってやつだね」
それを聞いて安心したのか、男の表情が緩んだ。
「僕は永倉新輔(ながくらしんすけ)、よろしく」
「……こちらこそ」
俺たちは軽く、握手を交わしたのだった。
人の気配を全く感じなかった──。
こんな俺ですら、ただ者ではないことくらいはすぐに悟った。
「永倉先輩!」
冥は声の正体を確認するとそう声を上げた。どうやら彼女の知り合いのようだ。
「お隣りさんは?冥ちゃんの新しいオトコ?」
「なっ、何言ってるんですか!違いますよ!変な誤解しないで下さい!」
数時間前に知り合ったばかりなのに、そんなこと言われて否定しない奴はいない。
カメラを首から下げて現れた男性は、俺に視線を合わせた。
こういう時は目を逸らさない方がいいことくらいは、俺も心得ているつもりだ。
「君、名前は?」
「沖田総太……です」
「なるほど。君が隊長の言ってた仲間ってやつだね」
それを聞いて安心したのか、男の表情が緩んだ。
「僕は永倉新輔(ながくらしんすけ)、よろしく」
「……こちらこそ」
俺たちは軽く、握手を交わしたのだった。