私の可愛い小悪魔BOY


「じゃあさ…」

「え!?なになに!?」

「じゃあ翔太って呼んで」

「な、なんでっ!?」


いきなり何言いだすのよ…!?

藤宮くんはフェンスから手を離した。


「翔太って呼んでくれたらやめる」

「関係ないじゃんっ!」

「じゃあやっぱり落ちよう…」


藤宮くんはフェンスに登りはじめた。

私は慌てて叫んだ。


「…翔太っ!」

「…これからもそう呼ぶ?」

「呼ぶからやめてっ!」

「約束だからな」


藤宮くんはフェンスから
手を離して私に近寄る。

さっきまでの暗い表情はない。


「…ま、まさか…」

「うん。俺の演技」


藤宮くんはニッコリと笑った。


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