私の可愛い小悪魔BOY


「とりあえず電車乗ろっ」


拓海は優しく私の手を引っ張る。

そしてちゃんと車道側を歩く。


「海って…昔よく行ったね…」


私は小さな声で言った。


この近くの駅から電車に乗って
30分ぐらいすれば海に行ける。

拓海とは付き合ってた頃の
デートでよく海に行ってた。


「…うん。楽しかったね」

「拓海どんなに寒くても波と遊ぶし」

「だって楽しいじゃん」


雨が降ったりして少し肌寒い日でも
拓海はニコニコ笑って波と遊んだ。

私と追いかけっこしたりもした。

本当にあの頃は楽しかった…。


「美優はいつでも笑ってくれたよな」

「…どうゆう意味?」

「俺がバカなことしても笑顔だった」


寒くて誰もいない海でも
私はいつも拓海と遊んだ。


「バカじゃないの?」


とか言いつつ笑いながら
拓海と一緒になって遊ぶ。

拓海はそれを覚えててくれた。

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