私の可愛い小悪魔BOY


ザァーッ

雨が激しくなった。


「きゃーーーーっ」


階段の下のほうから
女性の悲鳴が聞こえた。

俺は慌てて階段を駆け降りた。


長くて急な階段…。

河原がこの階段から落ちた…。

俺のせいで…。


「大丈夫ですかっ!?」

「誰か救急車呼べーっ」


人だかりができている。

その中をくぐって
河原のもとに行く。


「…拓海…くん?」

「ご、ごめん…河原…ごめん…」


河原の足はひどく腫れている。

頭や上半身は無事みたいだった。


「…気にしないで…拓海くん」

「でも…ごめん…」


俺は涙を流して謝り続けた。

すごい大雨の中
必死な表情の海さんが
走ってくるのが見えた。

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