私の可愛い小悪魔BOY


「美優ーっ」


駅に着くと拓海が
笑顔で手を振ってきた。

苦笑いしながら手を振り返す。

どうしよう…。


「来てくれたんだ」

「来るに決まってんでしょ」

「ありがとな、美優」


拓海の温かい笑顔を見て
私は告ろうかと一瞬思った。

けど…


「んー?あなた誰ー?」


拓海の後ろから…

河原さんが出てきた。


「美優だよ。覚えてない?」

「えっとぉ…あっ!」


河原さんは私を指さした。

私は河原さんを見て固まったまま。


「この前、あたしの家来た人?」

「そうそう」

「…ってこの人が美優ちゃん!?」


河原さんはすごく驚いた顔。

拓海はクスクスと笑った。


な、なんで…?

「美優ちゃん」

なんて呼ばれたこと1度もない…。

< 169 / 209 >

この作品をシェア

pagetop