私の可愛い小悪魔BOY
「…ごめん…拓海…」
本当に本当に大好きだったよ…。
でも…今の私は…
あいつの笑顔が思い浮かぶの…。
「…そっかー」
拓海は困ったように笑った。
「私が好きなのは…」
「分かってる」
「え…?」
「だから言わなくていーよ」
キィィィィィッ
嫌な音を響かせながら
電車がホームに入ってきた。
拓海は私を優しく抱きしめた。
「悔しいなぁー…」
「拓海…?」
「あいつに負けたんだな、俺」
プシューッ
電車のドアが開く。
「でも…翔太はイイ奴だから」
「うん。分かってる」
私は笑顔で答えた。
拓海は荷物を持って電車に乗った。