私の可愛い小悪魔BOY


「えぇ。いますよ」

「どんな生徒ですか?」

「とてもマジメな子よ」


井上さんは本棚の中から
薄いアルバムを取りだした。


「これ今年の学年写真なんだけど…」


井上さんの指が動いて
ピタリッと止まった。

私はそこを覗き込む。


「真田さんは副会長なのよ」

「そうなんですか?」


井上さんが指さしてる女の子は
ニッコリとした笑顔で可愛らしい。

髪も長くて、ふんわりしてる。


「だから藤宮くんと仲がいいみたい」

「…。」


私はゆっくりと顔を上げた。

やっぱり…仲がいいんだ…。


「優等生同士でお似合いよねー」

「そ、そうですねー」


私は作り笑いをしながら
高鳴る心臓の音をきいた。

やばい…私…

すごいショック受けてる…。

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