私の可愛い小悪魔BOY


「…ただいま」

「お、おじゃまします…」


藤宮くんは玄関から奥に
向かって歩き出した。

私は丁寧に靴を脱いで
静かに部屋に上がった。


「…翔太?帰ったの?」


奥の部屋から声が聞こえてきた。

たぶん藤宮くんのお母さんの声…。


拓海と付き合ってた頃
私は拓海のお母さんと
1度も会ったことがなかった。

会いそうになっても
拓海が恥ずかしがって
私を隠したからだった。


今思えばこれから会うのに
気まずくなくて良かったかも…。

私はそう思った。


「あぁ…帰ったよ。あと先生来たから」

「えぇ!?そんな適当な言い方!?」


藤宮くんは戸惑ってる私を
無理やり奥の部屋に入れた。

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