一瞬の輝き
苦しみの彼方

怖いよ・瞬

昨日の電話の最後
妙に不安そうだったから
変だとは思ってたけど
まさかいきなり逃げ出すとは。

輝、おまえ小学生みたいだぞ!?

「…輝!!」

パシッ

ホールのど真ん中で
ようやく輝に手が届いて
走るのを止められた。

「逃げんな!!」

病院内で大声出しちゃいけないのは
分かってたけど
言わずにはいられなかった。

「…瞬くん、怖い。
怖いよ、死にたくないのっ。」

「俺だって
輝が死ぬのなんて考えたくない。」

輝が今、うつむいて、
震えている理由が分かる。

「死ぬのが怖いなんてみんな思うよ。
俺だって、いきなり、
病気で死ぬなんて言われたって
信じられないし、怖いよ」

「…違うの。
死んで一人になるのが怖いの」


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