一瞬の輝き
キャーーー

いきなり倒れた輝を見て
叫ぶ人、ざわめく人々がいた。

「お、落ち着いてください。
大丈夫です。
オレが、責任もって運びますから」

最近腰が痛くて、おんぶするのは
ちょっと無理だったから
俗に言う
“お姫様だっこ”
をしていくことにした。

ほかの看護師に騒がれるのも
嫌だったから
エレベーターは避けて
裏階段で上がった。

ちらちらと輝の様子をうかがった。

3階位に来たころ様子を伺ったら
瞼が少し動いた。

「…走っちゃダメだろ。
ICU出れたのは
安定したからじゃねえぞ。」

「……瞬くん」

6階まで昇りきって
ようやく病室までたどり着いた。

カララッ

< 109 / 130 >

この作品をシェア

pagetop