一瞬の輝き

「瞬くん、ありがとう」

スタジオを出ると、輝さんが追ってきた。

「いやいや。
あ、オレ毎週土曜日の7時半に
相見駅前広場のベンチにいるから。

話くらいならできるかも。
また会えるといいね」

「はい。では、また」

「ああ。ばいばい」

オレは、知らなかった。

そのあと、輝さんがオレの後姿を
見ていたことを。
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