一瞬の輝き

「さて
そろそろ講堂へ行きますか」

廉が切り出した。

「そうだな」

講堂の周りには生徒がいっぱいいた。

やっぱ河野教授の予定だったから。

人気あるよなぁ。

『さて私が誰かわかりますかな』

新羅教授の声が
マイクを通して響く。

『―――――』

「はぁぁ。
これ、前も話さなかったっけ。」

「研究が進んでないんじゃないか」

「でも研究所の研究員は
結構頑張ってるらしいし
いいもの研究して
作り出してるらしいから
行ってみるのもいいかもな」

新羅教授の講演は
駄目だけど
研究員の研究は
目を見張るものがあるらしい。

研究員採用には
≪新羅教授をたたえる小論文≫
が必要らしい。

無理だ。

そんなの書けない。


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