一瞬の輝き
「……あ、もしかして耳悪い?」
「はい…」
「ぶつかってすいませんでした。
…どこ行くンスか?
荷物持っていきます」
その人は、
荷物を多く持っていたから言った。
「都の3区です…」
「わかりました。行きましょう」
「あの、あなたの名前は…?」
「あ、瞬(シュン)です。
武藤(ムトウ)瞬」
荷物を受け取りながら言った。
「あたしは、小林輝(コバヤシヒカル)。
高2です…」
「輝さんですね。オレは、高3」
「年上ですね…
あの、武藤さんはどこかへ
行くところだったんじゃ
ないんですか?」
「そうだった」
「あたしのことはいいので…」
「いいよ。連絡入れておけば」
歩き出した。