一瞬の輝き
初めて会ったときに、
駅前でぶつかっちゃって
楽譜とか落としたの。

その時、スタジオまで
楽器を運んでくれたんだ。

それから耳が聞こえづらいって聞いて
大きめの声で話してくれた。」

「いい子ね。
高3だったっけ」

「うん。」

「連絡先知ってる?
お母さんが連絡するから」

「えっと…はい」

ケータイの履歴からアドレスを検索した。

プルルル プルルル プルルル プルルル プルッ

『はい、武藤です。』




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