一瞬の輝き
「あら、瞬くん、
来てくれたのね。
ありがとう。」

輝のお母さんだ。

「輝の病状って
どのくらい悪いんですか?」

ずっと聞きたかったことを聞いた。

「…どのくらいって言われると
言いづらいけど
脳腫瘍の悪性より
少し軽いくらいでしょうか。」

「・・・・・・・」

「でも
薬もまだ少ないし大丈夫ですよ」

「そうですか」

「ごめんね、瞬くん。
お願いします」

輝のお母さんはそう言って
病室を出て行った。

「勉強してるから
何かあったら言って」

しばらくの沈黙。
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