一瞬の輝き
「瞬くん」

「ん?」

「奈津子さんって…」

「あ、オレの従姉だよ」

あたしが言い終わる前に察知して答えた。

「従姉?」

「そう。
叔父が経営してるって言ったろ?
奈津子さんが大学落ちたときに
イルカ訓練士をやらないかって
勧誘があったらしい。
それで、なったんだと」

「そうなんですか…」

「輝ちゃん!
準備OKだよ。こっちおいで」

「は、はい」

あたしは、その1時間で
椎奈と仲良くなって
すごく楽しい時間を過ごした。

瞬くんは、普通の服のまま
離れたところのベンチで
難しそうな本を読んでいた。


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