【長編】好きって言って
いくらムカついたからってあんな事言って失礼な事しちゃったし。
あたしも悪かったと思うし。
俯いていると、上からクスッて笑い声が聞こえてきてそれに反応して顔上げようとした。
「芽衣はいい子だね」
そう言って耀は、またあたしの頭を撫でた。
「そんな事ないよ」
撫でられながら、そう呟くと耀は笑った。
「はは。あ、そうだ。遊びに来たんでしょ?」
「うん」
大きく頷くと、耀はフッと笑って玄関の扉を開けた。
「どうぞ?」
その笑顔が格好良くて、思わず顔を赤らめる。
「おじゃまします……」
そう照れながら呟いて、家の中に入った。