【長編】好きって言って
すると輝は呆れたような顔であたしを見た。
「降ろしてって……1人で歩けんの?」
う……。
さっきの自分を思い出して、あたしは黙り込んでしまった。
すると輝はその後何も言わなかった。
あたしもその沈黙を破る事はできなかった。
保健室につくと、先生がいない。
「いねえし」
舌打ちをしながらそう呟く輝。
すると輝はあたしをベッドに座らせて足を見た。
「ぇあ……平気だから!輝戻っていいよ?」
笑顔を作りながらそう言うと、輝は不機嫌な顔をした。
「手当てしてないのに平気な訳ないじゃん」