【長編】好きって言って
貴方だけなの。
゚・。。・゚・。。・゚Mei side*
溢れる涙を必死で堪えて、走った。
無我夢中で走った。
そのせいか、足の痛みは全く感じなかった。
ただ……あたしが選んだ人の顔を見たくて。
この想いを伝えたくて。
必死だった。
「はぁ……はぁ……」
乱れた息を整えながら、辿り着いた耀の家の前で。
あたしは膝に手をついた。
もう決めたんだ。
あたしは息を呑んで、玄関の前に立った。
よし。
拳をギュッと握って、ドアノブに手をかける。
心臓がバクバクいってる。