【長編】好きって言って
「んー分かった」
そう返事して、ゆっくりと階段を上がろとした。
その時。
ピンポーン。
「ちわー」
家の人返事してないのに、扉が開かれた。
「お。芽衣来てたんだ」
家の人みたいに堂々と入って来て、階段を上り途中のあたしと目が合ったそいつは……。
輝とあたしの共通の友人である、早瀬優雅だった。
「優雅……あんたいくら輝んちだからって。礼儀よく入ってきなさいよ」
優雅をやって睨みながらそう言うと優雅はダルそうに言った。
「どうせお前だって同じようなくせに」
「あたしはちゃんと“おじゃまします”って言ったから!!」
失礼しちゃう!
あたしにだって、それくらい身についてますから!