【長編】好きって言って
「う……っん」
「それでも……やっぱり芽衣を誰にも奪われたくなかった」
「う……っふ」
ギュッと耀のあたしを抱きしめる力が強くなる。
「こんな俺でも……好きでいてくれる?」
掠れた声を聞いてあたしは何度も何度も頷いた。
あたしが傍にいるから……。
ずっとずっといるから。
「あたしをっ……離さないで」
もうあたしを引き離さないで。
もうあたしを拒んだりしないで。
泣きながら耀の背中に腕を回すと、耀は困ったように笑った。
「うん。絶対に離さない」