【長編】好きって言って
俺はきつく芽衣を抱きしめて、その小さな頭に唇を寄せた。
「うん。絶対に離さない」
絶対に離さない。
絶対に離さないよ……。
必死で芽衣を掴まえているから……。
だから……。
何も望まないから。
芽衣も俺から離れていかないで。
「芽衣……」
俺は優しい声で芽衣を呼ぶ。
するとゆっくりと芽衣は俺を見上げた。
だからその可愛い顔を見て微笑んで、俺は静かに唇を重ねた……。
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