【長編】好きって言って
そっと耳元で囁いて頭を撫でると、手を振った。
「……ばいばい」
あたしは真っ赤な顔を隠しながらぎこちなく手を振り替えして、自分の家へと入った。
駆け足で階段を上がって部屋に駆け込む。
もう……耀といたら心臓もたないよ。
そっと……唇に触れて、あたしはまたカァッと顔が熱くなった。
あたし……ホントに、耀と両思いになれたんだ。
両手で顔を隠して、バタンとベッドに倒れ込んであたしはジタバタする。
「きゃぁー!……うふふ」
もう興奮状態のあたしは、笑いが抑え切れなかった。
……ニヤける。
だって!!!
耀と両思いになれるとか……思わなかったんだもん。
こんなに早く伝わるなんて思わなかったんだもん。