【長編】好きって言って
!?
後ろから声がして振り返るとものすごい不機嫌な顔をしている輝がスウェット姿で立っていた。
「あ……おはよーございまーす」
その不機嫌な表情にあたしは顔を引きつらせて、笑みをつくった。
すると、輝は表情を変えずにあたしを見下ろすとらフイッと視線を逸らして階段を降りて行った。
あーりゃりゃ。
かなり不機嫌だぁ。
溜め息をついていると、優雅が輝の肩を通り過ぎ際に叩いた。
「よぉ!折角いい天気なのに、シケた面してんなぁ!!」
「……」
叩かれた輝は、さっき以上に眉間の皺を深くした。
うわー。
優雅馬鹿だよ。
寝起きの輝は、機嫌悪い事ぐらい知ってるでしよ!?
あたしは優雅を睨んでみたけど、優雅はそれに気付かなかった。
っとに鈍感!