【長編】好きって言って
って、さっきの間は何さ?
すると楓は両手を合わせて笑った。
「びっくりして、思考回路停止しちゃったよ」
あぁ。
さっきの間はそういう事ですか!
納得していると、楓はまた頬杖をついて、パックのジュースをバックから取り出すと、ストローを挿した。
そして目を細めながら口を開いた。
「芽衣は……想ってくれる人じゃなくて、想う人を選んだんだね」
そう言ってフッと笑った。
そしてジュースを啜りながらあたしを見た。
「まぁ、今は耀さんに想われてるんだろうけどね」
……。
顔が熱くなるのが分かった。