【長編】好きって言って
すると耀はあたしの手を引っ張って歩き出した。
!!?
「ちょっと……!」
耀の歩幅が大きいから、普通に歩かれるとついていけない。
「耀!速いよ!」
そう言うと、耀はあたしの方に振り返ってあたしを見下ろした。
その顔は困った顔をしている。
「ごめんね。……でもここなら話聞ける」
そう言ってあたしから周りに視線を向けた。
あたしもつられて周りを見ると、そこは人の少ない公園だった。
「ベンチ座ろうか」
そう言ってさっきと違って優しくあたしの手を引っ張ると、ベンチの方に歩き出した。
そしてゆっくりと腰掛けた。