【長編】好きって言って
「あ、そういえば親父が芽衣が遊びに来たら。ってケーキあったな」
そう言って耀はあたしの方に振り向いた。
「芽衣もおいで。ケーキ食べよ?」
「うん!」
すっかり耀の笑顔と、ケーキで機嫌が良くなったあたしは耀の後をついて行った。
「わぁーい。ケーキ♪」
ご機嫌なあたしは、ケーキを待ちながらテレビを見ている優雅の向かい側の席に座った。
するとケーキの箱を持って耀があたしの隣に座った。
「はい。芽衣の好きなチョコケーキ」
「ありがと♪」
やっぱおじさん分かってるなぁ。
あたしが好きなもの。
「おい。耀。何で芽衣に最初に選ばせるんだよ」
ご機嫌でケーキを口に含んでいるあたしを指差して不機嫌そうに呟く。
すると耀は、頬杖をつきながら口を開く。
「これは親父が芽衣に買ってきたケーキなの。芽衣が一番なのは当然だろ?」