【長編】好きって言って
そうやって優しい声で言うから。
あたしは負けて俯きながら正直に言う事にした。
「耀が……校門の前で女の子達と仲良くしてるから……」
素直に言うと、耀は俯いているあたしの頭を抱きしめた。
そして髪を指に絡めながら呟く。
「……やきもち、妬いてくれたの?」
ドキ……。
みるみる赤くなる自分の顔を気にしながら頷いた。
「そうだよ……やきもちだよ」
膨れていると、耀はクスッと笑った。
そしてあたしのおでこに頭を摺り寄せた。
「……嬉しい」
って優しく囁くから、またあたしの心臓はドキドキ。