【長編】好きって言って
「あたしは嬉しくない」
そう言ってあたしは耀を見上げた。
するとあたしの髪を撫でる。
その指が首筋に触れて、思わずビクッとした。
「でも俺は嬉しい……」
「何で?」
そう質問すると、耀はフッと笑った。
「俺の為に妬いてくれたから」
そう言って耀は幼い笑顔を見せた。
そして自分の胸にあたしの頭を押し付けて微笑んだ。
あたしは耀の背中に腕を回して抱きついた。
「芽衣……でも俺ね?」
???
「何?」