【長編】好きって言って
『もしもし?』
しばらくすると、芽衣の可愛らしい声が聞こえてきた。
その声を聞いただけで、少し胸が温かくなった。
この声を聞くだけで安心する。
俺は少しテンションが上がって微笑みながら口を開いた。
「あ、俺だけど……」
そう言うと、
『うん。着いた?』
って聞いてきた。
この電話と、校門の前の騒ぎに芽衣がやきもちを妬いたって事を知ったのは……もうちょっと先の事。
そのやきもちが嬉しくて……。
俺はホントに……完璧芽衣に惚れたって思った。