【長編】好きって言って
目に溜まる涙を拭いながらお礼を言うと、また頭を乱暴に撫でた。
「おうっ!待ってろ」
その頭から振ってくる声は、すごく自信に溢れていた。
ありがとう……。
すると優雅は泣いているあたしを見て、溜め息をついた。
「はぁ……たく、泣くなよな!」
そう言って優雅は家の中を見つめた。
「おーい!かーがやぁ!」
!?
いきなり叫んで耀を呼ぶ。
「芽衣が泣いてんだけどー!!」
「ちょっ!」
焦って優雅を目を見開いていると、階段を下りてくる音がした。