【長編】好きって言って



あたしを抱っこして、後ろから抱きしめると耀はあたしの首筋に顔を埋めた。




耀の吐息が首筋を触れてくすぐったい。




「……ふふ」




思わず笑みが零れると、耀はあたしを不思議そうに見下ろした。




「何笑ってるの?」




「くすぐったい」




あたしは首筋を手で隠しながら呟く。




すると耀は、フッと笑ってまた首筋に顔を埋めた。




くすぐったいのを我慢しながら、あたしは肩に触れる耀の柔らかい髪を撫でた。




少し癖があって、柔らかい髪を撫でている耀はその手を掴んだ。




「……耀?」




キョトンとしながら耀の方を向くと、耀はあたしを後ろからギュッと抱きしめた。




「耀?」




< 196 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop