【長編】好きって言って
あたしを抱っこして、後ろから抱きしめると耀はあたしの首筋に顔を埋めた。
耀の吐息が首筋を触れてくすぐったい。
「……ふふ」
思わず笑みが零れると、耀はあたしを不思議そうに見下ろした。
「何笑ってるの?」
「くすぐったい」
あたしは首筋を手で隠しながら呟く。
すると耀は、フッと笑ってまた首筋に顔を埋めた。
くすぐったいのを我慢しながら、あたしは肩に触れる耀の柔らかい髪を撫でた。
少し癖があって、柔らかい髪を撫でている耀はその手を掴んだ。
「……耀?」
キョトンとしながら耀の方を向くと、耀はあたしを後ろからギュッと抱きしめた。
「耀?」