【長編】好きって言って
仲のよかった兄弟の耀と輝が気まずくなったのもあたしのせい。
そう思うと泣けてきた。
涙が出てきた。
すっかり顔が曇ってしまったあたし。
そんなあたしに耀は優しく呟いた。
「芽衣のせいじゃないよ」
「え?」
慌てて耀の顔を見ると、耀は優しく微笑んでいた。
「何で……そんな事言えるの?」
すると耀はあたしの頭を優しく撫でながら答えた。
「俺も輝も……覚悟はできてたから」
「覚悟?」
「うん。どっちにしろ、芽衣は1人しか選べないんだから。こうなる事は分かってた」