【長編】好きって言って
覚悟してたんだ。
あたしが自分の事を考えている間に。
耀と輝は。
自分の事以上に。
あたしの事……。
兄弟の事……。
考えてたんだ。
「だから芽衣……元に戻るまで輝を待っててやってほしい」
「え……」
「あいつはきっと前みたいに接しようって考えた。だけど、そうなるには時間がかかる。俺もそうだと思うし」
「耀も?」
そう聞くと、耀は静かに頷いた。
「うん。輝と芽衣が付き合ったら、今の輝みたいになってたな」