【長編】好きって言って

すると耀はあたしを見下ろしたままフッと笑った。




「芽衣ちゃん勘違いしちゃったぁ？」




「っ……」




だってだって……。




本気でくると思ったから。




いつまでも意地悪な笑顔をしているから、あたしはムッとしてフイッと視線を逸らした。




「こっちは本気でどうしようかと思ったんだから！……それを馬鹿にするなんて酷い」




こっちはホントにどうしようかと思ったのに。




一度は耀に委ねたのに……。




そう思うと泣けてきた。




目に涙が溜まると、耀はあたしの涙を指ですくった。




「ごめん……意地悪し過ぎた」




そう言って耀はあたしを抱き寄せた。