【長編】好きって言って
だからこそ、2人を苦しめたと思っている芽衣は1番辛い筈。
だからおれは、早く3人が前みたいに戻れるように協力する。
……それしか、今のおれにはできないから。
悔しいけど、おれにできるのはこれくらいだ。
早歩きで前を歩く輝をおれは黙って追いかけてきた。
とりあえず、芽衣は耀に頼んだし大丈夫だろ。
そう思いながら、おれは輝を呼んだ。
「おい輝」
呼んでみるけど、輝は何も言わずに前を歩き続ける。
……んだょ。シカトかよ。
おれは少しイラッとしながら駆け出して輝の前に立ち止まった。
「輝。おれの話聞けよ」