【長編】好きって言って
化粧してないからスッピンで最悪だけど。
嬉しすぎてそんなのどうでもよくなってくる!
そう思いながら手を繋いで歩いていると、道の端に綺麗な女の人が立っていた。
あれ?……あの人、どこかで。
そう思いながらも結局その女の人が誰なのか分からずその人の前を通り過ぎた。
学校の前に着いて、耀は手を放した。
あ……もっと繋いでいたかったな。
何て思ったら、耀は眉を下げて微笑んだ。
「帰り……迎えに来るからそんな寂しそうな顔しない」
「あ……」
あたしそんな顔に出てたかな。
慌てて顔を隠すと、そんなあたしの頭を優しく撫でて耀は言った。
「じゃぁね」
「うん……ばいばい」