【長編】好きって言って
そう手を振ってあたしは後ろ髪引かれながら校舎へと入った。
教室に入ると、いきなり輝があたしの前に現れた。
ビクッゥ!!?
どどどどうしよう!!
何て言う!?
「おっ、おはよ」
驚きのあまり後ずさりをすると、いつもの無表情で輝はあたしを見下ろしながら口を開いた。
「ちょっと話あるからいい?」
「え……」
キョトンと輝を見つめると、あたしはやっと今の状況を理解して俯いた。
「うん……いいよ」
ちゃんとあたしも言わなきゃいけない事……あるし。