【長編】好きって言って



そう思っていると、輝ははぁ……っと溜め息をついて口を開いた。




「オレもう気にしてないから。もう大丈夫だから」




「へ?」




「だから……お前ももう、そんなビクビクしなくていいから」




あたしを見下ろしながら、そう言う輝。




それが何の事を言ってるのかは、すぐに分かった。




「あ……うん」




俯いていると輝はフッと笑いながらあたしから視線を逸らした。




「ありがとな」




初めて輝にありがとうを言われた気がした。




「……輝の口から初めて聞いた」




そう言った瞬間睨む輝。




あ……すいません。




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